これまで私が製薬企業、化学メーカーで共に働いてきた同僚たちは、様々なルートを経由していた。
研究職への就職を考えている方は、早いうちからルートを考えておくと良い
選択肢は様々だが、自身の能力と、家庭の経済的環境を考えながら読んでみて欲しい。
1.大学院で博士を取得し、研究者になる。
大学院にて博士を取得して研究者になるルート。最終的に教授として働くことを目指す場合である。
この場合、博士取得直後は、大学に残りポスドクとして有期雇用で働くことが多い。当然、ポスドクは無期雇用となる助教のポストを狙う。研究成果を出しつつ、他大学の教授陣とのコネ作りや助教ポスト公募に挑戦する事になる。
もし、博士を取得した研究室のポストが空いていれば教授から助教として推薦を受けることも出来る。しかし、数年後に助教枠が空いているであろう研究室を判断して、研究室を選ぶのは困難である。また、助教枠は研究室によっては二つ存在する場合があるので、枠に拘りすぎることもないだろう。何より大事なのは、教授に能力を認めて貰っていることと、教授に気に入られていることである。特に後者は重要である。私の出身研究室では、助教を公的機関から採用したことがあるが、その公的機関からの評価を踏まえて誰を任用するかを決めていた。
なお、大学で教授を目指さない場合でも、企業に就職することも出来る。化学メーカーでは博士卒の採用は少ないが、大手製薬企業は専門分野によっては博士卒が多い。
おすすめはアカデミアの道も企業研究者としての就職活動も並行して進めておくことである。個人的には、それぞれ性格上の向き不向きがあるように感じている。この点はまたの機会に。
2.大学院(修士)経由で企業研究者になる
研究者になるにあたっての最も王道のルートは、大学院(修士)を修了して企業に研究職として就職するルートである。
企業の研究職採用は基本的に修士卒(以上)を対象としている。新卒入社した製薬企業の研究職は、修士卒が9割、博士卒が1割の学歴構成であった。化学企業に転職した際の研究職では、更に修士卒の比率が多くなった。
なお、いずれの会社も国公立卒しか存在せず、大学入試での選別を乗り越えた上で、大学院まで6年研鑽を積んだ上で研究職として働いている。
よって、①それなりに名のある大学に合格する、②大学院(修士)まで修める、の2点が、研究職就職上のカタログスペックとして必要になる。
3.大学卒で研究職(実務職)として入社し、成り上がる
ここからは大学学部卒で研究職として働く方法である。とはいえ、大学卒業直後から、院卒と同じ枠組みの研究者として採用されることは困難を極める。なぜなら、大学学部卒を研究職として採用をしている企業はごく稀である。
また、大学卒で入社する場合は事実上の実験実務担当である場合があり、注意が必要である。自分で検討方針を考える、という事では無く、テーマ主担当の指示を受けて手だけ動かすような場合は往々にして存在する。
10数年経過すると昇格し、裁量が与えられて、自分で検討方針立案まで任せてもらえることもある。しかし、このご時世、会社も倒産するし事業も縮小しうる。環境の変化が激しい中で10数年後の未来を期待するのは、ギャンブルとも言えるのでは無いだろうか。
研究職に就きたいのであれば、修士課程を修了して置く方がかえって近道であり、推奨したい。
4.高卒で実験実務職として入社する
学歴が高卒で、研究に携わりたい場合には理系の実験実務職として入社する事になる。広義の研究職であり、実際に考えるところではないが、紹介しておく。
高卒であっても、研究部署での採用は行われていることがある。これは、実験実務職としての採用である。研究職からの指示を元に実験し、実験データを取得する。なお、高卒を研究職として採用している会社は、私が調査した限りでは存在しない。高卒を研究部署にて採用している場合、実験実務の担当者としての雇用である。
高卒の場合、実験実務職から研究職として登用されることはまずない。登用されないのは、個々人のスキルの問題でもあり、大卒と比較した優先度の問題であり、実務職を採用する会社では頭よりも手足が欲しかったりするためである。

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